不倫が楽しい、仲直りは可能か

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 これ、たぶんっていうか、絶対に僕宛の質問じゃないんだけど、ホームに流れてきたので答えます。

 いや、まず、何笑ってんだよ。笑いごとじゃねーからな。最初に周りの人間が本気で迷惑してるという自覚を持ってくれ。不倫って楽しいの本当に2人だけだから。当人同士は禁断の〜なんて熱に浮かれてるのかもしんないけど、それは単に、人の幸せと己の人生を掛け金にクソみてーなギャンブルしてリスクに酔ってるだけだから。それがお前がしてるその恋もどきの全て。マジで地獄に落ちてくれ。

  仮にその人のことをめちゃくちゃ好きで、だから罪悪感と呵責の中で苦しみ抜きながら、でも恋心抑えられないんだとしたらかろうじて友達の一人くらいは味方になってくれるかもしんねーけど、それでも開き直った瞬間、終わりだから。お前のそれは恋でも愛でもなくって、徒らにこの世界から愛の総量を減らすだけの行為なわけ。な。お前なんていない方がいいだろ。

  だいたいお前の単なる性的倒錯を"大人の〜"みたいな形容詞でオブラートに包もうとするその自意識の気配が本当にキツい。全然性格悪いなんて思ってないだろ。

  言っておきますけど本当にお前の性格は悪いからな。先に自己嫌悪することでそれ以上責められないように予防線張ってんのかもしんねーけど、そんなもんじゃないです。お前の性格が悪すぎるせいで、今までお前に少しでも関わった人は全員等しく嫌な思いをしているのよ。だから今後、二度とその性格を表に出さないでくれ。意見を述べたり自己主張も絶対にすんなよ。お前の考えてることなんて世界で一番くだらないんだから。一生表情も変えるな。ムカつくから。お前が笑ってても怒ってても悲しんでても全部ムカつくからさ。「笑っちゃう」なんて匿名で吐き出して悦に入ってる行為そのものにお前の底意地の悪さが溢れ出てるわ。本人に言え。そういうのは。本当に最悪。

 あのな、言っとっけど、お前は自分の性格を「性格悪すぎて〜」なんて評価してるけど、それでもなお、この世界で一番お前を過大評価して偏愛してるのがお前自身なの。他の全人類がお前のその見積もりよりも遥かにお前の性格を悪いと思ってるし、同時にお前のことを嫌ってる。この世界でお前のことを一番好きな人間がぶっちぎりでお前自身だから。これはマジで。

 このことを肝に銘じて、今後二度と人里に近寄らずに誰にも見つからない場所で死んでくれ。臓器も提供しろ。でもそれは全然可哀想なんかじゃないし自業自得だから。己の性格の悪さを悔いながら、せめてお前の人生で唯一の正しい選択を最後だけはしてくれ。

  その不倫相手にも見せといて。頼むわ。サルトルって知ってる?  どうせ知らないだろうな。いや、意外と不倫好きの女ってサルトルとか読んでそうだけど、とにかくフランス人のおっさんは「自分がすることを、全員がしたら、と問え」つってて。なぁ。嫌でしょ。そんな世界。全員が不倫してる世界なんてAVだけだろーが。あれ。それはそれでアリだな。考え直すわ。ひどいこと言ってごめん。僕も寝取りモノとかは、好きです。

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  全然そんなことないですよ。友達でも恋人でも、関係が壊れてから元に戻った例を僕はいくつも知っています。むしろ関係が壊れる前よりもずっと強固な関係を築けることも多いと思います。

  たとえば「親を殺された」とか「眠っている間にタトゥーを遊び半分で入れられた」みたいな取り返しのつかないことがあれば別です。でも喧嘩の原因ってほとんどはそういう不可逆的なケースではなくて、ただの価値観の相違や性格の不一致、お互いの器量の狭さとかですよね。そういうものってある程度の時間ときっかけさえあれば、意外なほど簡単に解決したりします。

  自分の話をします。僕は中学2年生の頃、同級生のヒロオカ(実名)という奴と喧嘩になったことがありました。

  当時、僕らは毎日部活が終わるとヒロオカを含め4人で帰っていたのですが、ヒロオカだけ微妙に家の方向が違ったんです。なのでヒロオカとは下校途中に分かれるか、ヒロオカが少し遠回りして僕たちについてくるか、ということになっていました。

  ある時、ヒロオカが僕たちに対して「たまには俺の家までみんながついてくるべきだろ」と分かれ道でブチ切れたんですね。それに対して他の二人がなぁなぁの立場を崩さなかったこともあり、意を決して僕が代表して反対したことで、最終的には殴り合いの喧嘩になりました。

  それから僕とヒロオカの因縁は始まりました。「ヒロオカが捨て猫を拾ってきて家で飼えなかったから、代わりに飼ってくれと言ってきた事件」や「道に落ちていたキックボードをヒロオカが拾ってきて、その持ち主の男の子が盗まれたと大騒ぎして何故か俺まで共犯にされた事件」、「肩パン(肩を拳で殴るという遊び)を交互にしているうちにお互いマジになる事件」。

  その度に僕らはお互いに「絶交」を言い渡し、二度と関わり合わないという不可侵条約を締結しました。が、時間が経って、少しのきっかけがある度に僕たちはまた友達に戻り、そして、そんな思い出もいつしか笑い話になっていました。

  今はあいにく「ホストになって体験入店を繰り返していたヒロオカから久し振りに呼び出された時、行ってみるとヒロオカが隣の席で飲んでいた女の子に絡みまくっていたのでたしなめたら逆ギレされた事件」の影響からここ数年何の音沙汰もないのですが、なにかのきっかけさえあれば僕たちはまた、お互いに反省して改善してきたことを伝え合うことができて、そしてまたやり直すことができるはずなのです。

  僕は、自分も含めて、完成された人はいないと思っています。どんなに嫌な奴でも日々反省と改善を繰り返して変化していくものだと信じています。人はNPCみたいに決まった人格が与えられて、ずっと同じロールを全うしている存在なので肌が合わない人とは永遠に合わない、という人間観はかなり偏っているのではないでしょうか。唯一不倫を楽しんでいる人間だけが例外です。見つけ次第根絶やしにしましょう。人類の為に。

  

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